臨床工学部
臨床工学技士法は1988年に施行されましたが、名古屋記念病院ではその必要性を重要視し、創立時より臨床工学部が設置されています。国家資格の専門職の中では比較的新しい職種で、職務の範囲は多岐にわたり、工学と医学の技術と知識を生かし、 病院内の様々な医療機器の操作・保守点検・管理を行います。
業務内容
当院の臨床工学部は、男性6名・女性1名の計7名から構成された臨床工学技士 のみの部で、院内では看護部・放射線部・検査部などと並び、チーム医療の一員として患者様を支えております。 我々が行っている主な業務は以下の通りです。
ME機器保守管理業務
当院の臨床工学部では、医療機器の保守管理業務として中央管理方式を実施しており、輸液ポンプ・シリンジポンプ・人工呼吸器などの医療機器の貸し出しや機器の点検・修理などの業務を行っています。 また、独自で開発した医療機器管理ソフトを使用し、機器の稼動状況や保守情報の管理にも力を入れています。
集中治療室業務
集中治療室業務とは、多臓器不全などで行われる急性血液浄化療法や、循環器科領域で行われるIABP業務など多岐にわたり、 当院では臨床工学技士が24時間対応できる体制をとっています。
血液浄化業務
当院は入院患者様専用に16床(隔離用個室含む)、治療を行っており、 その中で臨床工学技士は、透析の開始終了・透析中のバイタルチェックなどの臨床業務や、透析装置の保守点検などの業務を行っています。
血漿交換療法業務
当院では、血漿交換療法業務として①単純血漿交換療法、②血漿吸着療法、③二重濾過血漿交換療法、④LDLアフェレーシス療法、 ⑤白血球除去療法、⑥顆粒球除去療法などを行っております。また、造血幹細胞採取などの特殊な血液採取も行います。
ME機器保守管理業務
ME機器とは、病院で使用されている医療機器のことです。 名古屋記念病院には細かいものも合わせると約1500台の医療機器があり、臨床工学部では病院で使用されている様々な特殊な機械 の保守管理をしています。医療機器を安全かつ効率よく運用させるため、臨床工学部では独自の管理ソフトを開発し、 コンピューターを使って医療機器の貸出や保守点検をしています。また、病院のスタッフ向けに医療機器の取扱い説明や 各種勉強会の開催を行うなど、適切かつ確実な安全管理体制を支援しています。
輸液ポンプは点滴をする際に使用する機械です。 安全で正確に点滴するために使用します。 | 心電図モニターは体に電極を貼り、心臓の電気的信号を表示するための機械です。 心拍数や呼吸数なども測定できます。 |
電気メスは、生体を負荷として高周波電流を流し、発生する熱を利用して切開・凝固作用を導き出す機械です。 | 内視鏡装置は、本体に光学系を内蔵し、先端を体内に挿入することによって、内部の映像を手元で見ることができる装置です。 |
麻酔器は手術をする際に、麻酔ガスや液体の麻酔薬を気化させガス状態で患者様に吸入させるための機械です。 | 体の外で人工的に発生させた衝撃波を体の中の結石に加えることによって、結石を粉々にする治療です。 |
臨床工学部では医療機器管理業務を支援するために、独自で開発した管理システムを使用しています。 院内に1500台以上ある医療機器を登録してあり、機器の点検・修理履歴や稼働状況の把握、 点検のスケジュールや添付文書に至るまで、医療機器を管理する上で必要な情報を電子化することにより、 効率的で正確な管理が行えるようにしています。 |
集中治療室業務
集中治療室業務として、臨床工学技士が扱う機器は、人工呼吸器などの呼吸療法機器をはじめ、血液浄化装置やIABPなどの循環補助装置など、様々な分野と機種にわたり、臨床工学の集大成ともいえます。また、近年では、臨床工学技士が集中治療室での臨床業務に関わることも多く、24時間対応できる体制をとっております。
人工呼吸器は、人の呼吸の代行をする機械です。 主に集中治療室にて使用します。 | IABPとは、大動脈と呼ばれる心臓か事量を減らすことがら出る太い血管にバルーンを入れ、心臓の仕できる機械です。 |
血液浄化業務
名古屋記念病院における血液浄化業務は、腎臓の機能が低下した患者様に対して、 人工腎臓を用いて腎臓の働きの代行を行っています。当院は入院患者様専用に16床(隔離用個室含む)で治療を行っており、その中で臨床工学技士は、透析の開始終了・透析中のバイタルチェックなどの 臨床業務や、透析装置の保守点検などの管理を行っています。 当院では、血液透析療法が安全に安心して行えるよう臨床工学技士が、細かな機器管理と透析液清浄化の管理を行っております。日常的な管理として、全ての水回路でのエンドトシキン値測定や、R2A培地による細菌数調査、同時に細菌培養同定検査も行い、 細菌汚染発生の汚染経路の早期発見に役立てております。また、ACT測定器やクリットラインモニターなどを 用いて、患者様にもっとも適した透析条件を調査し、常にその患者様に合う透析条件を医師とともに考えています。
血漿交換療法業務
当院での、血漿交換療法には、潰瘍性大腸炎や肝炎、家族性高コレステロール血症などの患者様に対して、血液と血漿を分離し 血漿中から疾患の原因となる物質を取り除く治療や、血液と血漿を分離せず血球成分自体を直接処理する白血球除去療法などがあります。 治療場所として、入院患者様には集中治療室や各病棟をはじめ、外来通院患者様に対しても血液浄化センターなどで行い、 医師や患者様のニーズに応じた色々な血漿交換を行っております。
当院では、1.単純血漿交換療法 2.血漿吸着療法 3.二重濾過血漿交換療法 4.白血球除去療法 5.顆粒球除去療法 などの治療を施行しています。
また、造血幹細胞採取などの 特殊な血液採取も行います。
臨床工学部のあいことば
臨床工学部は患者様への安全医療の提供に努め、チーム医療に徹底します。
- 医療機器に係わる安全管理のための体制を確保します。
- 医療機器の安全使用を目的とした改善のための方法を追求します。
- 医療機器の安全使用のために必要な情報を一元的に収集し、適切に提供します。
- 高度な医療機器を駆使し、安全な臨床治療を提供します。
- 他機関との交流を率先して行い、幅広い先進的な技術の習得に努めます。
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