病診連携システムとは
病院には、ごく軽い症状の人から、手術や入院が必要だとされる重症の方までさまざまな症状の人が治療を受けています。それらの症状に見合った効率的な医療を提供するために医療機能の分担が必要となります。
患者さんにはかかりつけ医(診療所)を持っていただき、日頃から医療全般について相談や治療を受けていただきます。かかりつけ医が専門的検査・治療、入院などが必要と判断した場合は、診療所から病院に患者さまを紹介していていただきます。患者さんは病院にある高度医療機器で診断・治療を受け、それらが終了しましたら、今度は病院からかかりつけ医に診断・検査結果等を報告し、その後のかかりつけ医での健康管理に役立てます。すなわち病状が安定している時や普段はかかりつけ医を受診し、状況によって病院に受診することにより、医療機能を分担することができます。
当院はこのような医療機能分担を診療所と連携して、患者さんによりよい医療を効率的に提供することを目的として病診連携システムを積極的に行い、2009年3月に地域医療支援病院の承認を受けました。また、当院は2001年4月には愛知県で初めて診療所の医師と病院の医師が共同で入院診療を行う開放型病床を設置し、診療所から病院まで一貫した治療が受けられるシステムを作るなど、質の高い地域医療連携をめざしています。
名古屋メモリアルネット利用について
1.名古屋メモリアルネットとは
「名古屋メモリアルネット(以下本ネット)」は、名古屋記念病院(以下当院)が管理、運営する地域連携システムです。本ネットは、患者さんの同意のもとで、専用回線を用いて病診連携システムの登録医と当院の間で、診療情報を共有するシステムです。
本ネットを用いて診療情報を共有することは、安全な医療を提供し、地域医療の質の向上につながります。また、治療歴、検査結果、画像データなどが共有されることで、連携医療機関においても説明を受けられるだけでなく、重複した薬の処方や検査を防ぐなど、医療費の負担軽減にもつながります。
尚、本ネットでは、当院の電子カルテシステムから安全な専用回線を介してデータセンター(岡山県 Ryobi-IDC)に送られ、保管された診療情報を登録医へ開示しております。
2.個人情報保護
患者さんの診療情報にアクセスできるのは、当院の連携医療機関に所属し、患者さんの同意が得られた医療職のみであり、かつ個別のID・パスワードを取得した場合のみです。また、専用の回線を使用することで、外部からの不正な侵入を防いでいます。なお、患者さんの申し出があれば、いつでも情報共有を中止できます。
3.開示する診療情報
患者さんから同意をいただいた後、最終閲覧履歴より90日間、以下の情報を開示します。
患者さんの基本情報、保険情報、病名、アレルギー情報、検査結果、生理検査結果、処方、注射、食事内容、移動情報(受診歴・入退院履歴)、各種記録(医師記録、サマリー、心電図、診断レポート、診療情報提供書、医療連携書類)、画像(レントゲン、内視鏡、超音波検査)など
本ネットを利用した地域における情報共有は、患者さんの自由な意思によるものです。本ネットの目的や意義、内容、安全性の確保などについて説明を受け、同意をいただいてから情報共有を開始します。本ネットを利用をされなかった場合や途中で利用を中止した場合でも、今後の診療において一切不利益を被ることはありません。
本ネットについてわからないことがありましたら下記の問い合わせ窓口までお申し出ください。
(問い合わせ相談窓口)名古屋記念病院 地域連携センター
名古屋記念病院 院長
診療情報提供書(紹介状)の必要性
かかりつけ医の診察によって病院での治療(入院・手術など)やさらに 詳しい検査が必要となった場合は、病院の(専門)医師宛ての診療情報提 供書が患者さんに渡されます。これがいわゆる紹介状です。
紹介状には、かかりつけ医が診察や検査した際の情報やこれまでに蓄積した患者さんの情報から治療上必要な情報が記入されています。患者さんが紹介状をお持ちになることにより、初診であっても必要な情報を得ることができるため、同じ検査を何度も行なうことなどもなくなり、診察や治療がスムーズにすすみます。
地域医療支援病院とは
地域医療支援病院は医療法で制度化された医療機関の機能別区分のうちの一つで、地域の病院、診療所、歯科医院の先生方を後方支援するという機能の役割分担と連携が目的の病院です。名古屋記念病院は2009年3月25日付けで愛知県知事より地域医療支援病院に承認されました。
愛知県内の地域医療支援病院は2018年10月現在25施設(内名古屋市内11施設)が承認されています。