在宅医療部  Sさん

私達在宅医療部は温かで安心感が持て、何でも相談できる環境を作り、患者さんやご家族をチームで支えることを目標として日々関わらせて頂いています。 幾つかの患者さんとの出会いと別れの中、訪問看護師として特に心に残ったエピソードをご紹介します。
病気が進行し入退院を繰り返す中、終末期は大好きな猫に囲まれて家で過ごしたいという患者様、慣れた自宅で最後まで看取りをしてあげたいという娘さん、両者の想いが重なり、在宅医療部からの訪問看護を利用される事になりました。コミュニケーションは少なかったが猫が大好きで同じベッドで眠り、笑顔で撫でながら猫に話しかけている患者様の姿がとても印象的でした。初めは週3回を基準とし体の状態に合わせ毎日訪問看護に行くこともありました。その中で会社員のお孫さんと接する機会がありました。お話しする事が多くなった時、お孫さんから「看護師さんに対する認識が変わった。祖母の興味がある話題で、話しかけながらケアをして、それを笑顔で受けている祖母の姿を見て、ホッとしました。入院中病室では見られなかった場面でした。小さい頃から見ていた看護師さんのイメージは業務的に忙しく仕事をこなすといった感覚だったけれど『その人に合うケア』をしていた。」と話を聞きました。患者様はその後、家族に看取られながら、安らかに生涯を閉じましたが、娘さんとお会いし話をすることがありました。

お孫さんは看護師には、こういう仕事もあるのだと思い、憧れて会社員の仕事を辞め、看護学校に進学したことを聞きました。お孫さんが看護師を目指している事を聞いて、私は訪問看護を続けて来て本当に良かったと嬉しく思いました。「学校を卒業したらお孫さんと一緒に働きたいですね。」と話をしました。

入院中は自由がなく不穏行動が見られていたが、自宅に帰ると穏やかに過ごされている患者様を見て、[自宅]という環境の大切さを実感しました。そして学ばせて頂きました。これからも私達は、患者様がご家族と共に住み慣れた自宅での療養生活が送れるように関わっていきたいです。
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