ご挨拶
名古屋記念財団 理事長 太田圭洋
HOSPYグループは、1971年に現在の新生会第一病院の存在する土地に、初代理事長である太田和宏が、腎不全患者の社会復帰を支える施設として名古屋クリニックを開設したことから始まりました。
その後、名古屋南東部で急性期医療を担う名古屋記念病院を中心に、腎・透析合併症治療と亜急性期治療を担当する新生会第一病院、維持透析施設である複数のサテライトクリニック、地域介護の中心となる新生楽舎、身体障害者の施設である「あしたの丘」を運営する、愛知県で有数の民間医療福祉グループへと発展してきました。
現在、名古屋記念病院は年間5000件の救急搬送を受け入れる地域の救急医療の中核施設として活躍しています。近隣開業医の先生方と、紹介・逆紹介・依頼検査・開放型病床などで連携を深め、地域医療に貢献しています。また、増え続ける悪性腫瘍に対応するため、外科治療、化学療法、放射線療法と集約的な治療を行う体制を整え、緩和ケア能力の拡充を図っています。昨年、外来での抗がん剤治療専用の外来化学療法室の整備を行いました。
新生会第一病院を中心とする、腎・透析部門は、現在1100人を超える維持透析患者の治療に従事しています。30年以上の長期透析患者を多数抱え、今年は透析40年の時代に突入します。長期透析患者の増加は、われわれHOSPYグループの透析治療レベルの高さを証明するものです。名古屋記念病院における腎移植治療も加え、腎不全治療として血液透析、腹膜透析、在宅血液透析(家庭透析)、腎移植とすべての腎不全治療をグループ全体で提供しています。
また、高齢患者、障害者が増加する中、新生楽舎、訪問看護ステーションサルビア、あしたの丘は、質の高い地域介護、障害者ケアを実現しています。
HOSPYの理念は、健康文化を創造することにあります。人々が幸せに生きていく上で心身の健康は不可欠です。人々の健康の維持、回復に貢献するということは、人々の幸せに直接お手伝いをしていくことであり、非常にやりがいのある仕事です。現在、日本の医療のおかれた環境は、制度的にも経済的にも非常に厳しいものがあります。しかし、われわれHOSPYグループは、チャレンジ精神と創意工夫、そして柔軟性をもって、地域の方々の幸せにすこしでも多く貢献できるよう、これからも職員一丸となって努力してまいります。今後とも、皆様のご支援ならびにご指導ご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
理事長 太田圭洋
名古屋記念財団 事務局長 西村茂生
私は、前職のコンサルティングファームにおいて、主に製造業・流通業クライアントへの経営支援に従事してきました。エレクトロニクス・ハイテク、自動車、産業機械、医薬品、流通業まで幅広い業界を対象として、事業戦略立案、本社機構改革、サプライチェーン改革を中心に、戦略立案からその実行までの包括的なコンサルティングを実施しました。常にクライアント企業・事業の成長を念頭に、百戦錬磨の企業経営者に近い距離で経営者支援を遂行してきました。15年のコンサル経験を経て、いよいよ経営プロフェッショナルとして事業会社へ巣立ちました。
医療業界の経営特性は、市場集中度をあらわす「ハーフィンダール指数」でその根本課題を説明できます。独立行政法人経済産業研究所の分析によれば、日本の102産業別市場集約度の中で、官公立や公的病院を中心とする医療(非営利)は96位、民間病院や診療所等を含む医療(民間)は101位で最下位クラスとなっています。教育業界・小売業界・不動産業界よりも医療業界の事業経営母体は細分化されています。経営を司る人材や機能がそれぞれ配置されており、建物設備や医療機器、情報インフラに対する投資も細分化された事業体が実施しており、極めて非効率と言わざるを得ません。
規制業種として守られてきたこの業界も、2025年に向けての競争が始まっています。例えば、急性期病院もDPCでⅠ群~Ⅲ群のクラス分けが行われ始め、高度急性期病院と一般急性期病院への振り分け、同時に亜急性・回復期病院へのふるい落としが始まっています。維持透析の領域においても、より効率的・効果的な施設運営が継続的に求められています。このような淘汰の時代において、プロの経営者として、ホスピーグループを名古屋市東南部の地域住民にとって不可欠な存在であり続けることを目指して努力をして参ります。また、全職員がホスピーグループのメンバーとしての職務に誇りを感じ、素晴らしく輝き続けるための舞台を提供します。
平成25年10月1日
事務局長 西村茂生
略歴
- 1994年3月
- 名古屋大学大学院 工学研究科 卒業
- 1994年4月
- アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア株式会社) 入社
- 2009年9月
- ホスピーグループ 入職 法人本部 事務局長
- 2011年10月
- 法人本部 情報処理部 部長兼務
- 2013年9月
- 日本病院会 病院経営管理士 認定
- 2014年4月
- 名古屋記念病院院長補佐
- 2014年9月
- 日本医療経営実践協会 医療経営士2級認定